あれから1年になるのか…。
いや、3年になると言った方がいいのかも。
昨年の夏、私が前の学校でボクシングを教えていたAという生徒がインターハイに出場しました。
ただ残念なことに、‘前の学校’は高体連に加盟していなかったため、Aは大会出場のために転学しなければならず、他の学校の生徒として出たのですけれど。
それと、決して私が彼をインターハイ選手にまで育てたのではなく、専門的な技術は市内にあるジム(シュガーナックルボクシングジム)の会長さんのご指導があってのこと。
でも、注目の選手ということと、それに関わりのある者ということで、去年の今頃は私自身が新聞やTVの取材を受けていたものでした(実は私は、自分が取材されたTV放送を見ていないんですけどね)。
3年前の春、Aは私の勤めるスクールに入学してきました。
第一印象、「コワモテなやっちゃなー」^^
事実、かなりヤンチャやってて、警察さんにも結構お世話になったりしてたそうだけど。
彼が、私が‘経験者’であることを知ったのは、どういう理由だったのだろう…。実はよく覚えていないのです。
けれど、5月のある日、彼が私にこう言ってきたのでした。
「俺、ボクシングやりたいです。教えてください」
期せずして、彼の誕生日がその数日後だったのですが、私が「これ、誕生日の祝いや」と言って、一組のバンデージを彼に渡した時の、嬉しそうな顔を私は今も鮮明に覚えています。
あれから、本当に鍛え合ったよなぁ。その当時は私と彼の二人だったので(後に他の生徒も加わるようになりましたが)、まるでROCKYIIIでアポロがロッキーを教えているシーンのような毎日でした。
私も年取っているとはいえ、日々鍛えていたので、ロードワークやジムワークでも(少なくとも初めの頃は)私が彼をリードしていました。実際にグローブを交えることもあったなぁ。・・・当時、ビデオ撮影しながらそれを練習に生かしていましたが、彼と私がやり合っている動画が今も少し残っていますが、今となっては秘蔵映像というか、私にとってはお宝だな。
師弟というよりは、男同士の関係。
こういうのって、それを経験したことのない人に分かってもらえるだろうか。
インターハイ当日、私は会場へ行けませんでしたが(予選はシッカリと応援に行っていたけれど)、ネットでの生中継にかぶりつきでした。
その彼も、今は高校を卒業して、今は大学生(ボクシングの推薦)。
今は未だ1年生の下っ端で、扱き使われてるんだろうなぁ。・・・私も大学時代は厳しい運動部だったので、やはり心配になりますね。
でもアイツなら大丈夫!!
・・・実は、Aが高校を卒業する時、私は最後に彼とスパーリングするのが前々からの夢だったのですが、彼の転学によりそれは実現しませんでした。でも、やってたらボコボコにされてたでしょうね。けれど、そうなったとしても私は心から嬉しかったでしょう。
私はこうしてこの春から新しいアスキ高等学院を作ったのですけれど、今年の初め頃、Aはメールで、こう寄せてくれていました。
「山本先生が作る学校は絶対に楽しい学校だと思います。自分が今ボクシングや大学に行ける事も、山本先生に出会って今の自分に変われたから今の自分があると思います。本当に感謝しています。ありがとうございます。大学に行っても帰ってきたらまたお会いしましょう」
実際のところ、彼に‘その力’があったから変われたのであって、私は特に何をしてやった訳でもないのだけれど(実は、私の方が「お、コイツなら俺の練習相手に丁度いいかな」とか自分本位に付き合わせていた?)、こうした気持ちは素直に嬉しいものです。
春からアス高の仕事が忙しくて、実は運動不足気味の私。
いかんなー。Aに会った時、「先生、衰えましたね」とか言われないようにしなくちゃ。
また鍛え直さなくちゃ。
忙しいと言いつつ、アス高でも、「ちょっとやってみらんか?」と声を掛けてしまうのは相変わらずで・・・。
昨日も、私が忙しくて付き合えず、後でメールにて謝ったのだけれど、「今日もすごい忙しそうだったので残念でした…最初は先生に言われてやってみた感じですけど、学校で筋トレするのも最近では楽しみなので、時間があればやりましょう」との返信。
また、疲れた体に鞭打って頑張らな。
・・・男同士って、やっぱり理屈抜きでこういう関係がいいな。
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